Ciudad de Ayacucho
アヤクチョ市
アヤクチョ市は標高2.746メートルに位置する高地都市。1540年に建設された。温暖な、気持ちよい気候のもと、インカ時代から現代にいたるまで、ペルー中部の枢要地域であった。80年代には、この地域に生まれた新左翼組織センデロ・ルミノソ《輝ける道》のゲリラ活動が猖獗を極め、地元社会は大きな混乱をきたすが、組織が壊滅した後は、平和な静かな時が戻ってきた。宗教的にとても敬虔な都市であり、たくさんの教会がいにしえの面影を保ちつつ、町のいたるところに鎮座している。2010年9月、網野はこの地域の植民地時代を歴史的に調査するため訪れた。
撮影:網野 徹哉
Reducción
集住村
網野の調査の目的は、植民地時代.、アンデスのインディオ世界に対しておこなわれたレドゥクシオンと呼ばれた強制集住政策の歴史的痕跡をアヤクチョでの文書調査、実地検分を通じて探求することであった。レドゥクシオンは、16世紀後半、ときの副王トレドが大規模に実施したもので、それまで山や渓谷にエコロジカルなバランスを保ちつつ散在しながら住んでいたインディオたちが、その伝統的な風景から引き剥がされ、スペイン風に設計された人口村に強制的に移住させられた。今回、アヤクチョ地方の奥深く、たくさんの村々を巡検したが、どの村を訪れても、中央広場に教会・お役所、碁盤の目のような町並みと、まったく同じ村落構造が繰り返し現れ、知識では知っていたものの、レドゥクシオンが深い影響をアンデスの大地にのこしたということが肌で実感できた。
撮影:網野 徹哉
Belleza Ayacuchana
アヤクチョの美
アヤクチョの少女たちの瞳は、高地の空気のように、澄み切っていた。
撮影:網野 徹哉